Collection

2024-25 Autumn/Winter

PROLOGUE

13 . 素材を活かす

 

素材を活かすということは

世界中の衣食住全てにおいて当てはまります

 

しかし、取り分け日本に根差す数々の物作りの文化は

世界の様々と比べても特異な点が多く

世界から賞賛される素晴らしい技術が数多く存在します

 

私達はこの点を今回のコレクションテーマとして着目しました。

 

私達の糸作りに関わる原料や装置 技術力等は時が経つ中で

様々な条件変化が起こり、それに応じて私たちの糸も変容を続けて来ました。

 

この変化は

技術や装置の進化などポジティブな面もありますが

過去には容易に調達出来ていた原料が入手困難になったことや

技術の担い手の減少

昔ながらの簡素な作りの機械だからこそ可能としていた、

工程数の多い手間の掛かる丁寧な糸作りが出来なくなるなどネガティブな面も同時に含みます。

 

そして私たちはこれまで、この様々な変化に応じて知恵を出し

デザイナーの新たな感動を呼ぶ糸作りを常に目指してきました

 

このことは別に詳細を述べた

日本の物作りの多くの文脈そのものではないのかというのが

今回テーマの大きな気付きです。

 

素材を活かす

これは何も素材ありのままの良さを表現するということだけを指すのではなく

別の要素を加えることで隠れていた魅力を引き出すことなども指します

 

全ては素材の特性を良く知り

良さを生かし

短所を補い

より素晴らしいものを生み出す

私たちの物作りの普遍的で確信的なコンセプトでもあります。

KNITTING INSPIRATION