丸安毛糸のあるがまま

丸安毛糸流「経営計画の作り方」 ~ 全社員で半年前から準備する…!?

本投稿は note.com にて 2023年5月30日から6月6日まで、全3回に渡って連載されたものをまとめた記事になります。

はじめに

丸安毛糸では、2023年3月30日に「69期 経営計画発表会」を行いました。当社の経営計画は、トップが作ったものを発表する場にはせず、半年前から全員参加で作った計画を改めて全員で確認する場になっています。どういう想いで開催し、どのような経営計画発表会が行われたかについてご紹介いたします。岡崎社長と息子・淳(素材部 プロモーションDiv.リーダー)が対談しました。

おかざき じゅん岡崎 淳

素材部 プロモーションDiv.リーダー/2020年入社

丸安毛糸の4代目。大学卒業後、広告代理店に新卒入社。プロモーション施策、HP制作のディレクション、カメラマンなど多岐に渡る業務に携わる。退社後ニューヨークに留学し、ファッション学校に通いながらアメリカの文化に触れる。帰国後、丸安毛糸に入社。前職の経験を生かし、HP運用、システム改修、広報のコントロールなどをしながら、素材の営業も行う、丸安毛糸のユーティリティープレイヤー。創業70年の老舗繊維メーカーの後継者として、やれることはなんでもやる。そんな一心で日々生きている。

もくじ
半年前から全社員が巻き込まれる、丸安毛糸流「経営計画発表会」!
変化し続けた経営計画発表会。一方、20年「変えてこなかったこと」
「69期 経営計画発表会」からこれからのこと、どんな1年後になりそうか。

半年前から全社員が巻き込まれる、丸安毛糸流「経営計画発表会」!

社長:
3月30日、丸安毛糸の「69期 経営計画発表会」を行いました。会場は、本社1階にあるアンティークカフェウール倶楽部。経営計画発表会は、毎年3月末に開催する、私たち丸安毛糸にとって大切な1日です。

多くの方が「経営計画発表会」っていうと、経営者や幹部が作った経営計画書を社員に発表する場とイメージすると思いますが、うちでは社員みんなで経営計画作りに関わってもらっていて、“丸安毛糸らしさ”を磨いている取り組みの1つです。 

なぜ、私たち流の「経営計画発表会」になったのか、当日はどんな雰囲気で行われたのか、少しご紹介したいと思います。私1人で話すと独演会になっちゃうので(笑)新鮮な雰囲気を出すために、私の息子であり、プロモーション部リーダーとして会社を支えてくれている岡崎 淳(おかざき じゅん)と一緒にお伝えしますね。

淳:
そういう経緯で私が呼ばれたんですね(笑)よろしくお願いします!
私は大学卒業後、広告代理店で働き、2020年に丸安毛糸へ入社しました。初めて経営計画発表会に出席したのが2019年3月です。

現在のように、“全社員で経営計画を作り発表”する、丸安毛糸流の「経営計画発表会」を始めたのが2014年と聞いてます。私が初めて参加した頃は、このスタイルになってまだ5回目だったんですね。そのときから、発表内容や司会進行は完成されていた印象です。発表時間がずれ込んだあとの軌道修正だったり、司会者の時間管理とか、とても正確なものだったと印象に残っています。

社長室にて対談しました。

社長:
そうそう。リニューアルした経営計画発表会の3回目から、淳が出席してくれたんだよね!

経営計画発表会は、ずっと模索を続けてきたことの一つ。もともと、私は経営者だけが意思決定するトップダウン組織にはしたくなかった。だからまずは、幹部たちと意志を共有する場を作ろうと、1泊2日の合宿を行って、経営計画を作っていた時期もあります。泊まりがけだと話し合いに集中できるし、同じ釜の飯を食べてお互いのコミュニケーションをとれるから。この合宿は10年くらい続いたなぁ。

だけど、1泊2日で白熱して議論ことが、合宿に参加していないメンバーに話しても、熱量が全然伝わらなくて、キョトンとされるわけ(苦笑)社員たちにもっと自分ごととして会社のことを考えてもらうように巻き込む必要があると考えて、全社員で経営計画を作ろうと動き始めたの。

淳:
なるほど!そこから現在まで、さらにどんな試行錯誤があったんですか?

社長:
最初は、準備期間を4ヶ月みておけば良いと思ってたけど、いざ動き出すと全然足りなかった!あと、経営計画発表会の会場として、ホテルの会議室を2時間借りたものの、私が最初の46分も話しちゃって(笑)その後、みんなの発表がバタバタして、時間配分をぐちゃぐちゃにしちゃったこともある(笑)

そんな反省を踏まえて、準備期間は半年とる。会場は本社1階の「アンティークカフェウール倶楽部」でやればいいって、今の形に落ち着いてきたかな。進行のタイムテーブルも決めて、私が話すのは20分に留めて、みんなの発表を1時間ずつ話してもらうようにしました。

2023年3月30日の「69期 経営計画発表会」。
こちらは会場の本社1階「アンティークカフェウール倶楽部」です。

アンティークカフェウール倶楽部
丸安毛糸本社1階にある直営のカフェ。注文を受けてから豆を挽き、一杯ずつ淹れるコーヒーはお客様から好評いただいてます。当社の編み物キットや毛糸の店頭販売も行なっています。

淳:
そんな経緯があったんですね。社員で企画・運営するイベントは、下手をすると馴れ合いの雰囲気が出てしまう恐れがあります。でも、私が参加した経営計画発表会では、しっかり発表をして意見交換がされていたし、時間管理も予定通りでした。毎年、回を重ねても、そこはブレていないし、むしろ年々進化している感じだと思います。

変化し続けた経営計画発表会。一方、20年「変えてこなかったこと」

社長:
経営計画発表会は試行錯誤しながら変えてきたこともあるけど、その一方で変えてこなかったこともあります。それは、その年頑張った社員の表彰、「MVP賞」と「ニットマガジン賞」です。今年の表彰は、経営計画発表会後の「お疲れ様会」で行いました。

淳:
何年ぐらい前からやっているんですか?

社長:
もうね、20年はやってるよ。

淳:
MVP賞は、社員1人につき5票ずつ持っていて、その年間に感謝を伝えたい人に1票ずつ投票します。集計して票数獲得の多い上位2名を「MVP」「準MVP」で表彰するんですよね。

社長:
投票用紙に、ただ名前を書くんじゃなくて、感謝の言葉を書くようにしてもらってます。集まった投票用紙は、本人に渡すんだけど、「投票用紙に書いてある言葉がうれしい」ってみんな話してくれたよ。

面と向かって伝えると照れくさいような「○○さんの頑張ってる姿に影響を与えてもらった」とか「良くしてもらって感謝してる」って言葉が書いてあるんだよね。一緒に仕事してると、利他の気持ちで手伝ってくれる人、頑張ってる人って分かるじゃない。そういうポジティブな気持ちを伝え合えれば、本人も嬉しいだろうし、社員同士の関わりも良好になっていくよね。

淳:
はい。今回は片野さんと八木さんが10票以上集めてましたね!笑あり、涙ありの表彰でした。

片野さんの喜び♪

八木さんの喜び♪

社長:
そして、「ニットマガジン賞」では、社員たちが持ち回りで担当するブログのアクセス数の高かった上位5名を表彰しています。
KNIT MAGAZINE(ニットマガジン)とは、丸安毛糸のスタッフが発信するニット製品、糸や繊維、ファッション業界に向けたのウェブマガジンのこと。現在までに、約1,500記事が更新されていて、アクセス数の高いものは英訳して海外にも発信しています。

社長:
「MVP賞」と「ニットマガジン賞」は社内に良い影響を与えてくれること。20年前も今もこの賞の位置付けは変わらないし、経営計画発表会に彩を添えてくれる。

今年の経営計画発表会も、とても楽しく温かい時間でした。みんなすごく良い顔してたなぁ~

「69期 経営計画発表会」からこれからのこと、どんな1年後になりそうか。

社長:
ここ2~3年の経営計画発表会を振り返って感じるのは、計画の精度が上がってきているということ。経営計画は1年先を見据えて立てるんだけど、会社全体の目標、部門ごとの目標、その中で自分のやるべきことが明確になってるんじゃないかな。

淳:
社長と幹部だけで決めた計画に従うよりも、自分たちも関わって決めた計画だと自分ごとに感じられるし。計画を決めるプロセスに半年間も関わることで、みんなでコミュニケーションをとれるから、同じ方向を向きやすいですよね。

同年代の友人や前職の同僚と話してても、うちの会社みたいに、経営計画に全社員が関わって深く話してる会社はほかに聞きません。うちの取り組みを話すと、「そんなことやってるんだ!」って驚かれます。

社長:
全社員で半年近くかけて話し合うのは、決して楽な会議ではない。昨年からは、台湾人とシンガポール人のスタッフが新しく入社したことで、さらに新しい視点でバンバン意見が出るようになったし、チームリーダーたちも意見をまとめたり、改善が必要なものは動いていくことが求められるようになりました。

だからといって、半年かけて決めたことだから…と囚われすぎてもいけません。あくまで柔軟に。私たちは海外を相手に仕事をしているから、刻々と情勢も変化するし、3~4ヶ月プロジェクトを動いてみたけど、ダメだったらすぐに「プランB」に変えて、その時に最良な方法を選択して実行する。

淳:
そうですね。みんな主体的になっているので、意見言いますし、課題が起きてどうしようもなくなる前に「助けてくれ」って出せる社内文化もある。課題をチームで話し込んで改善していける環境ができている。これは本当に良いことだと思います。

社長:
各部門の目標や数字も大切だけど、それ以上に、私たちのミッションである「ニットを作る楽しさ嬉しさ、そして感動を伝え続けたい。」、世の中をニットで良くしたいという想いは大きく掲げ続けていきたいし、私はそれをずっと変わらずに経営計画発表会で言い続けていきますよ。

68期経営計画発表会、毎日忙しい業務の中で、この日を迎えられて、みんな良く頑張りました。ありがとうございました。

69期、一緒に引き続き頑張っていきましょう!やるぞっ!!!

懇親会後、ゼネラルマネージャー2名をスタッフが手つなぎアーチで見送りました。

集合写真!

 

(おわりです。最後までお読みいただきありがとうございました)

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